世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「京子~、布団捲って~!」
「わかったから大きな声出さないで」
ベッドの上におろしてもらって、布団をかけてもらえた。
でも…それだけじゃ寒くて……寂しくて……京子の袖を引っ張った。
「花莉、熱の時に本当にごめんね。
…お願いがあるの」
京子は私の前にしゃがんで、視線を合わせる。
それから優しく頭を撫でてくれて。
「…な、に?」
起き上がろうとかすると、それを制される。
また寝かせられるからそのまま京子を見つめた。
「電話で詩優のことを呼んでほしいの」
「…やっぱり……私が冬樹くんの名前…連呼したから……怒ってるの…?…私のこと、もう嫌いになっちゃった……?」
心の中がまた不安でいっぱいになる。
私には彼がいないと……
詩優がいないとだめなのに……。