世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
それからしばらくバイクは走って、到着したのは大きな門扉の前。
周りはフェンスで囲まれていて……
もうすでに高級感が溢れている。
そして門扉とフェンスの内側に見えるのは、立派な洋風の大豪邸。
す、す、すごすぎる…!!!
お城みたいだ……っ!!
予想よりも遥かに大きくて、瞬きを数回。
明日葉は「こっちこっち!」と言いながら私を手招きで呼んで、門扉についていた機械に指で触れる。
すると、ガチャンっ!と鍵が外れる音がした。
…指紋認証だろうか。
は、初めて見た……。
明日葉は門扉の中へとバイクをバイクを入れて、止めてから私の手を取って。私も中へと足を踏み入れて、汚れひとつないコンクリートの上を歩く。
あまりにも綺麗だから、私の靴が汚くないかな、なんて心配になってくる。
私が今履いている靴は、中学の時にお年玉で買ったスニーカー。あんまり履いてないけど、ちゃんと綺麗に洗ってくれば良かった……
なんだか申し訳ない。