世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
そう思いながら歩いていたら、明日葉が立ち止まった。
白くて大きな玄関ドアの前で。
私が前住んでた家のドアの2倍以上の大きさのドア。
明日葉は玄関ドアの横にある機械に指で触れて。
ガチャンっと鍵が外れる音が聞こえた。
これも、門扉と同じように指紋認証。
「どーぞどーぞ!!」
それから明日葉が玄関のドアを開けてくれて、緊張しながら中へと入る。
「おっ、お邪魔しますっ!!!」
あまりの緊張のせいで声が裏返りそうになった。
…あ、危ない危ない。
「うちに今誰もいないから大丈夫だよー!!」
私を見て明日葉が笑う。
「あ、そ、そうだったんだ…っ」
「うん!!だから騒ぎ放題、遊び放題だよ!!!!」
ワクワクしながらそう言う明日葉は、泳ぐのがとても楽しみなんだと伝わってくる。