世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
残念なことに、羊を数えてもお腹の音は鳴り止まないし、眠気もやってこない。
こうなったら、お腹を満たすしかないのかも……。
水でもお腹いっぱいになるまで飲もうかな……。
仕方なく布団から出て、ベッドをおりる。
スリッパを履いて向かったのは、真っ暗なリビング。電気のスイッチを押すと、眩しいくらいの光が部屋を照らす。
光に慣れない目をこすって、冷蔵庫を開けると1番最初に目に入ったのは……
詩優が買ってきてくれたプリン。
見た瞬間、ごくり、と喉が動くのがわかった。
濃厚そうなカラメルソースに、ぷるぷるとしたプリンは、なんだかすごく輝いている。
…た、食べたい……
ぐぅ~
『これが食べたい』
と言ってるかのようお腹が鳴る。
す、少しだけ……
一口だけでも……
思わずその輝いたプリンへと手を伸ばす。