世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
自分の部屋へと戻ろうとしたところで、
ガチャっ
と玄関の鍵が開く音が耳に届いた。
か、帰ってきた!?
ど、どうしよう!!早く寝なきゃ!!またお腹鳴っちゃうかもしれないし…
私は急いでリビングの電気を消して、忍び足で寝室へと戻ろうとした。
けど……
「花莉?」
声が聞こえた瞬間、心臓が思いっきり飛び跳ねた。
視界は真っ暗
しかも足音も立てずに忍び足で移動していた、はずなのに
な、なんで気づいて……
びっくりして思わずその場に固まっていたら、明るい電気がつけられて。
眩しさに慣れない視界にうつりこんできたのは、私の大好きな彼。
「寝られねぇの?」
詩優が私の前に来ると、何やら美味しそうな匂いが鼻に届く。
それに反応するかのように、私のお腹は
ぐぅ~
と鳴ってしまった。
…さ、最悪だ……