世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




自分の部屋へと戻ろうとしたところで、



ガチャっ
と玄関の鍵が開く音が耳に届いた。




か、帰ってきた!?
ど、どうしよう!!早く寝なきゃ!!またお腹鳴っちゃうかもしれないし…




私は急いでリビングの電気を消して、忍び足で寝室へと戻ろうとした。

けど……



「花莉?」




声が聞こえた瞬間、心臓が思いっきり飛び跳ねた。




視界は真っ暗
しかも足音も立てずに忍び足で移動していた、はずなのに




な、なんで気づいて……




びっくりして思わずその場に固まっていたら、明るい電気がつけられて。

眩しさに慣れない視界にうつりこんできたのは、私の大好きな彼。




「寝られねぇの?」




詩優が私の前に来ると、何やら美味しそうな匂いが鼻に届く。
それに反応するかのように、私のお腹は




ぐぅ~




と鳴ってしまった。




…さ、最悪だ……


< 238 / 839 >

この作品をシェア

pagetop