世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
あまりの恥ずかしさで顔が熱くなっていく。
これを避けるために早く部屋に行って寝たかったのに……
最悪すぎる。
詩優に何も言えないでいたら、「ふっ」と笑って。
「おはぎもらったから、花莉も一緒に食べよ」
彼は手に持った袋を私に見せた。
袋の中には、3つのフードパックが入っていて、さっき鼻に届いた美味しそうな匂いがする。
…おはぎ……
想像するだけで、ごくん、と喉が動く。
「今日明日葉の弟と会ったんだけど、そん時にたくさん持ってきてくれてさ。
全部手作りだって。すげぇよな」
詩優はなんだか嬉しそうに笑う。
あ、明日葉の弟の手作りなんだ……
すごい……
わ、私も食べたい。
食べたいけど…
「わ、私…、もう寝るね」
ごめんね
と謝ってからこの場を逃げるように寝室へと向かおうとしたんだけど……
大きな手に捕まって。
まさかの、そのままリビングへと連行される私。