世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




ソファに座らされて、詩優は袋をガラステーブルの上に置いてからどこかへと行ってしまった。



な、なんだろう……



ドキドキしながら詩優を待つと、すぐに何かを持って戻ってきた。
詩優は私の隣に座って、持ってきた紙を私に手渡すと、とあるところを指さす。








渡された紙は見覚えのあるもので……
“新生活のルール”と上に書かれている。




そして、詩優が指さしたところは


“⑤悩みがあればすぐに言う”

と書かれたところ。




心臓がドキリとした。




詩優は私に何かあると気づいた、ってことだろう。
だから、新生活のルールを持ってきてこうして私に見せたんだ。




……つまり、私の悩みを今すぐ言えってこと。




でも、さすがに無理だ。
これだけは言えない。言いたくない。



私が太ったからダイエットしてるなんて……




「…な、何もない、よ?」




詩優にも嘘をついてしまった私。
罪悪感はあるけど、これだけは本当に言えないから仕方ない。


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