世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
─────────────
声が聞こえた気がして、目を開けた。
常夜灯の薄暗い光だけが部屋を照らしている。
ゆっくり体を起こして、きょろきょろと辺りを見渡す。
声は聞こえたのに……
誰もいない。
……夢だったの?
京子と倫也に会ったことも、詩優と電話で話したことも…
そんなの嫌だよ…
ベッドからおりて、フラフラする足を必死で動かした。
ドアノブに手をかけて、部屋の外へ……