世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
静かな部屋に詩優と2人。
「…さっきさ、京子にお粥の作り方教えてもらって、一緒に作ってもらったんだけど……食えそう?」
ぽんぽんと優しく頭を撫でてくれる詩優。
「食べるっ!」
食べないなんて言う答えはない。
詩優がせっかく作ってくれたんだから。
嬉しくてすぐに答えたら目の前の彼は優しく微笑んで、
「座って待ってろ」
私を抱きかかえてソファまで連れて行ってくれる。
少しの時間でも離れるのが嫌で、台所へと行く詩優の背中にぎゅっと抱きついた。
「…花莉、座って待ってような?」
またまたソファに連れていかれそうになるから、ぎゅうっと強く抱きついて抱きかかえられるのを阻止。
「…邪魔しないでいい子にしてるから……」
小さな声でそっと言うと、詩優は少し悩んだ後で
「わかった」
と言ってくれた。