世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
抱きついたままお粥を温めるところを見て、
たまに見上げて詩優を見つめたりする。
「ん?」
私の視線に気づいたのか、彼は目を合わせてくれて。
「詩優」
目が合う度に彼の名前を呼んだ。
そうしたら満足そうな顔をしてくれるから、なんだか嬉しくなってくる。
「詩優っ」
「うん」
「好き」
「…知ってる」
「大好き」
「……ん。わかったから、移動しような」
お粥をよそって、詩優がゆっくり動くから私もそれに合わせて歩く。
冷蔵庫の前で止まって、中から冷却シートを取り出すところをじっと見つめていたら、見えたものは……。
「プリン!!!」
思わず声が出た。
だって、冷蔵庫の中にはカップのプリンが何個も入っていたから。
そんな私を見て詩優が笑う。
「プリンたくさん買ってきたからデザートに食べて。今日食えなかったら明日でも」
「今日食べる!!」
「りょーかい」
プリンを1つ取ってくれて、それを受け取った。