世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
最後に薬を飲んだあとは……
「寝るか」
再びベッドへと戻されそうになる。
「やだっ…!寝たら詩優がまたいなくなっちゃう…」
必死に抵抗しようとしても体に力が入らない。
力が入ったとしても詩優にはかなわないけど…。
「俺は花莉のそばにいるから」
「……絶対?」
「あぁ。絶対」
「……おんぶして連れてって」
「1回だけな?
どーぞ。姫さま」
背中を向けて目の前にしゃがんでくれる彼。
その背中に飛び乗ると、
「危ねぇから大人しくしてろ」
怒られてしまった。
けど、嬉しくて。
体がふわふわして。
楽しくて。
詩優の背中は落ち着くからたくさんたくさーーん甘えていたと思う。