世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
あの子は詩優にお礼がしたいから名前を聞いただけなのに…。
心が汚い、だめだな…私
「はぁ…」
ため息をついた時、指に熱いものが触れた。
「っ!!!」
反射的にその熱いものから手を離し、ゴトンっと床へと落ちる。
最悪なことに、ヘアアイロンの熱を持ったところに指が触れてしまったみたいだ…。
急いでヘアアイロンを拾って、いったんスイッチを切る。
だめだな……私。
机の上にヘアアイロンを置いて、床が傷ついてないか確認したけど…大丈夫そう。
…良かった。
指、氷で冷やさないと……
私は立ち上がり、リビングへと向かおうとした時スマホが振動。
こんな朝早くに何かと思い、画面を開けてみると【夜瀬詩優からメールを1件受信】と表示されていた。
詩優は昨日、女の子を助けて部屋へと帰ってから、急遽用事ができてしまったため出かけて行った。朝起きたら帰ってきてるかなとか思ったけど、詩優はまだ不在。