世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




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「ひめちゃんひめちゃん」




無事に身体検査が終わって、着替えてから教室へと戻ろうとしたら廊下で倫也に声をかけられた。




手招きをして私を呼ぶ倫也。
いったいなんだろうか。




倫也のところまでかけよると、




「さっき1年の後輩ちゃんに詩優が呼び出された」




と言った倫也。




「…え」




予想もしていなかったまさかの言葉。





「まだ入学したばっかで1年生の名前までは俺もわかんないんだけど、すごく可愛い子だったよ。
状況はよくわかんなかったけど、その子が『昨日はありがとうございました』って言ってたからどっかで詩優と会ったことがある子かも」






ドクン、と心臓が嫌な音を立てる。




そして、頭に浮かんだのは昨日、詩優が助けた女の子の顔。
“昨日は”だから、その子の可能性が高い。





…もしかして、同じ学校なのだろうか……。
その子は私服姿だったから学校がどこかなんてわからなかったけど…。




でも、そんな偶然って……



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