世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
頭の中で考えていたら、
「おーい、ひめちゃーん」
と倫也が私を呼ぶ。
はっと我に返って倫也と目を合わせると、
「体育館のほうにいったから、心配なら止めに行っておいで~」
とんっと私の背中を押してくれる。
止める、なんてそんなこと…
昨日の女の子だったとして、詩優にお礼を言っているだけかもしれないし……
で、でも告白とかしてたら……
嫌な考えが頭に浮かぶ。
動けないでいたら、倫也は再び口を開いて。
「詩優ってさ、積極的な女の子に弱いんだよね。高城雅の時も、上手く断れてなかったし。さっきの子も積極的だったからやばいんじゃない?」
私はそれを聞いた瞬間、すぐに走り出した。
体育館の方へと…。