世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
もし、昨日のあの子でお礼だけだったら
私の勘違いですごく恥ずかしい。
それでも、他の女の子と詩優が2人でいるなんて考えるだけでも心がもやもやして落ち着いていられない。
もし、詩優が告白をされていたら
私はどうすればいいんだろう。
…止める?
『私が彼女です』って言うべき…?
色んなことを考えながら全速力で走って、体力が尽きる頃に体育館へと到着。
身体検査が終わったのか、体育館からは何人か生徒が出てくる。
…体育館の中にいたりする?
いや、わざわざ人がいるところには行かないだろうし……でも、一応見ておこう。
体育館の中をひょこっと覗いてみると、中にいたのは片手で数えられるくらいの人数。
その中に詩優らしき人物はやっぱりいなかった。
ここじゃないとすると…
部室は鍵がかかってるだろうし、体育館裏とか?
乱れた息を整えながら、小走りでまた走り出した私。