世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
今度は周りの視線が私に集まる。
女の子ともばちっと視線が合って。
その子は瞬きを数回繰り返してから大きく息を吸う。
「私、1年4組の空木 乃愛(うつぎ のあ)っていいます!!!
詩優先輩は、私の運命の王子様なんです!!!彼女がいようと絶対に諦めませんから!!!!」
「では、失礼しますっ」と最後に言ってから走り去っていく女の子。
今のは……
宣戦布告だ。
でも、何がなんでも詩優を渡すわけにはいかない。
私が詩優を守らないと…っ
「詩優は私のそばを離れちゃだめだからね」
隣に座る詩優にそう言うと、彼は口角を上げて笑っていた。
『笑わないで!』そう言いたかったが、周りの視線が集まっていたことを思い出してゆっくり椅子に腰をおろす。
…みんなの前で、しかも大きな声で言ってしまった。
は、恥ずかしすぎる……
あまりの恥ずかしさでどんどん顔が熱くなって、手で隠そうとすると…
隣にあったはずの詩優の机が私の机とくっついた。