世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




校門を出て少し歩いた先に止まっていたのは……
まさかの、リムジン。



…今日は何かあるって言ってたっけ。
自分の中で考える。



康さんがリムジンで迎えに来てくれる時は必ず何かある。雷龍の集まりだったり、会合だったり、パーティに行く前だったり。




必ず何かあるはずなのに…
考えても今から何があるのかわからない。




じっと詩優を見つめると、
「朝言ったんだけどやっぱり聞いてなかったか」
と笑う彼。




あ、朝何か言ったの…!?




「ご、ごめんね……いろいろ考えてて」




今日はどうやって空木さんから詩優を守ろう
なんて朝から作戦を考えていた私。
話を聞く余裕がないくらい考えるのに集中していたのかも…。




「今日は新メンバーの歓迎会。そんで明日は会合だから、もう忘れんなよ?」



詩優はぽんぽんと頭を撫でてくれて、私の手を取ってリムジンまで向かう。




黒塗りの傷ひとつない綺麗なリムジン。
詩優はドアを開けてくれて、先に私を乗せてくれた。




「お願いしますっ」




康さんにそう言ってから1番奥へと座って。
その隣に詩優も腰をおろす。



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