世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「相良に連絡するから待ってろ」
詩優はそう言ってから電話を切って、すぐにスマホを操作。
そして、すぐに聞こえてきたのは呼出音。
幸いすぐに電話が繋がったみたいで話し出した詩優。
「相良、今日暇?」
電話をかけたのは、紅蓮の総長の大雅さんだろう。
詩優がやろうとしていることがなんとなくわかった。
紫苑が雷龍の倉庫に来てしまったから、明日やるはずだった会合を今日にしようってこと。“紅蓮”が大丈夫なら、の話だけど…。
「さんきゅ」
通話時間は数秒。それから彼はまたスマホを操作して、電話が繋がると「会合今日に変更」と一言だけ伝えてまた数秒で通話は終了。
それが終わるのと同時にリムジンのドアが開いた。
「お待たせーー!!!」
入ってきたのは明日葉、京子、倫也、竜二さんの4人。
明日葉の両手には紙袋が握られていた。その中には、大量の何かがたくさん入っている。
…何かをもらったんだろう。
明日葉もモテるもんね。女子からも、男子からも。
「急遽会合が今日になった。歓迎会は明日やる、けど…やりてぇことあるから急いで中学生組迎えに行くぞ」
詩優はみんなにそう伝えて、私の隣へと戻ってきた。
やりたいこと、とはなんだろうか。