世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
京子は本当に頼りになる。
大好きな親友。
「京子は誰かにチョコあげるの?」
ふと気になって、聞いてみた。
そういえば京子の恋愛のことは聞いていなかったな、って思ったから。
「私は毎年恒例でモテない男たちに義理チョコ配るくらいかな」
とすぐに答えてくれた。
特に焦る様子もなかったから、本当にそうなんだと思った。
でも、もう少し京子のことが知りたくて。気になって…。
「その中に本命チョコ混ざってたりして」
なんちゃって、と少しからかってみる。
すると、
「……そ、そんなわけないわよ」
少しの沈黙の後に京子はそう言って、私から目逸らす。
なんだろう、今の間は……。それに、なんで目をそらすんだろう……。
これは…もしかしてのもしかして…!!
「ふふふっ」
思わず顔がにやけてしまう。
京子があまりにもわかりやすかったから。