世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
京子はぷいっとそっぽを向いて聞こえないフリ。
真理亜は何度も言うが京子は何も反応してくれなくて……くるりと私と氷菜に向き直る。
そして私と真理亜の肩にぽんっと手を置いて。
「花莉と和泉氷菜の番や!!!!」
にこにこ笑顔でそう言った真理亜。
「絶対無理です…!!!」
この場から逃げようと車の中へと乗り込もうとする氷菜。
それを逃すまいと真理亜は氷菜のセーラー服の袖をぎゅっと掴む。
「き、き、き……すは真理亜さんだからできるんです!!!たから離してくださいっ!!!!」
「あんたらカップルも数え切れんくらいちゅーくらいしてるやろ!!!1回くらいええやん!!」
「き、き、き…す、なら別に今じゃなくてもいいじゃないですか…っ!!!」
「今じゃないとダメなんや!!夜瀬くんも、相良くんも、2人がちゅーしたほうがやる気出るで!!!」
その言葉で一瞬ピタリと動きを止め氷菜。
真理亜はその一瞬の隙を逃さずに、氷菜と私の腕を引っ張って。
私たちは引きずられるように詩優と大雅さんの前へと連れていかれた。