世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ


す、すごいな……
氷菜まで、積極的だ……




せ、積極的…!!
そうだ!!私も積極的にならなくちゃいけないんだった…!!!




「花莉」




不意に降ってきた詩優の声。
ドキッと跳ねる心臓。




「はいっ!」




ドキドキしていた心臓が更に加速して、私は思わず元気な返事をしてしまった。




「3分で戻る」




詩優はそう言い残すと私の手をひいて歩きだす。
私もつられて足を動かして、詩優を見上げながら歩いた。





特攻服姿の詩優はいつもよりも輝いて見える。この姿はあまり見られるわけではないからいつも以上にドキドキ。





…なんか、すごく緊張する。





彼に連れてこられたのは誰からも見えない薄暗い場所。
2階へと続く階段裏だ。





「俺も期待してもいい?」




そんな声が降ってきて、再びドキッと跳ねる心臓。
『期待するって何を?』なんて聞かなくてもわかる。それは……キスのことだろう。




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