世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
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詩優にバレないように何を作るか決めて、材料を買って。
バレンタイン当日の朝、早く起きてチョコ作り。
詩優とはいつも一緒に寝ているから、起こさないように起きるのは大変だった。
ベッドからおりる時に少し目を開けそうになった彼だが、「まだ寝てていいよ」と言ったら目を閉じて眠ったから安心。
彼が起きる前に無事にチョコを完成することができた。
今年作ったのはハート型のガトーショコラ。
綺麗にラッピングして、自分でもよくできたと思う。
よくできたと思うけど……、初めてガトーショコラを作ったということもあり、すごく時間がかかってしまった。そのため、雷龍のメンバーに渡すチョコを作る時間がない……。
……仕方ない。最後の手段として買っておいた市販のチョコをみんなに渡そう。
渡さないよりは渡したい。
日頃の感謝を込めて。
私はラッピングした箱を買っておいた水玉の紙袋の中へと入れて、詩優の部屋へと向かった。
一番に渡すには今しかない。
部屋の扉をノックしようとして、体の動きをとめた。
1つ、気づいたことがあったから。
気づいたこと…それは……
私が本命チョコを渡すことが初めてだってこと。