世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
でも、倫也には確か……
彼女がいるんじゃ…。
私は見たことがある。
…痴漢男に出会ってしまったあの日、倫也が女の人と腕を組んでデートをしているところを。
「…り、倫也、彼女いるよね……」
確かめるようにそう言ったら返ってきたのは
「あれはただのセフレやろ!」
という真理亜の言葉。
…せふれ?
…いつだったか、ずっと前にもそんな言葉を倫也の口から聞いたような気がする。結局意味はわからなかったけど…。
「…あの、せふれ?ってなんですか?」
私より先に口を開いたのは隣に座る氷菜。
「知らんの!?」
真理亜はかなり驚いている様子。京子は、ふふっと笑っている。たぶん、京子も知っているんだろう。
「花莉さんと明日葉さんは知ってます…?」
ちらりと私と明日葉に目を向ける氷菜。
「何それ美味しいのー!?」
「わ、わかんないや…」
明日葉もわからないみたいで、仲間は3人。
いったいどんな意味なんだろう。