世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
仮病を使って帰るのはさすがにだめだと思ったが、これ以外に嘘を考えることができず…
私は「ありがとう」と詩優に伝えた。
1分少しで通話は終わって、空木に目を向けると目が合った。
「いいの~、カレシに言わなくて。
今言えば俺のことリンチにできんのに」
「…そうしてほしかったならそうする」
「え~、待って待って」
「……」
「言わなかったってことは、ちっこい雷龍ちゃんは俺と組んでくれるってこと~?」
その言葉にこくんと頷いた私。
この選択はだめなのかもしれない。
だめなのかもしれないけど……
私は空木と手を組むことを決めた。
「やった~。じゃあ俺の番号登録しといて」
空木はひょいっと私の手に握られたスマホを奪い取ると画面を操作。
慣れた手つきで電話番号を登録されて、空木も自分のスマホをポケットから取り出すと同じように操作した。
私の番号を登録したのだろう。