世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




また私は詩優に隠し事をしている。

詩優にはこんなことしたくないし、“悩みがあればすぐに言う”って新生活のルールを決めた時に約束したのに。




私はまた自分の気持ちを優先してしまう。









詩優を空木さんに触られたくないから…
詩優をとられたくないから。





とられないように私が積極的になって詩優を守ればいいのに……

心のどこかではいつかとられてしまうんじゃないかという恐怖心がある。






詩優をとられてしまったら私はひとりぼっちだ。
帰るところも生きる意味も、全部全部なくなってしまう。





それに、もう二度と……別れたくない。
離れ離れは嫌だよ。




だから……
私は空木と協力して空木さんを詩優から離さなくてはいけない。









私は一刻も早く安心したいんだ。
あとにはひけない。





彼のまっすぐな瞳にに見つめられても私は何も言えなくて、ただぎゅっと強く唇を噛んだ。





「花──────────」





詩優が私の名前を呼ぼうとした時、ガラッと開いた空き教室の扉。





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