世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
びっくりして扉へと目を向けると、そこにいたのは髪を三つ編みにして、丸メガネをかけた小柄な女の子。
その子は詩優と私を見ると驚いた表情をして、すぐに扉を閉めて。
走り去って行った。
「「……」」
み、み、見られた…っ!!!!
絶対イチャついてるって思われた…っ!!!!
学校中の噂になっちゃうよ…っ。あいつら空き教室でイチャついてたって…
く、口止めだ。
今から追いかければ間に合うかな!?
私は詩優の胸を押して、空き教室を出ようとした。
けど、詩優は私の手首を掴んで強く引き寄せて。気づけば私は詩優の腕の中。
「逃げんの禁止」
耳元でそう言われ、早鐘を打つ心臓。
「…に、逃げるわけじゃない……
さ、さっき見られたから……変な噂が広まらないように口止めしようと思って…」
必死に声を出す私。
ドキドキしすぎて壊れてしまいそうだ。