世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ

…は？
じゃあ花莉は今……




「……榊といんの？」


『…うん。冬樹くん、お財布落としちゃって、しかも終電に乗り遅れちゃったみたいで……

今日、1日部屋に泊めてあげられないかな…って思って』










そんな声が聞こえてきて、手に握っていたはずのバイクの鍵が床へと落ちた。







…今、泊めてあげられないねぇか、って言った？
榊を？ここに？

あいつは花莉のことが好きなのに？
お前に告白したやつだぞ？




普通そんなやつを部屋に泊めてあげたい、なんて言うか？

仲直りはしても、お前そいつに襲われかけたことあるんだよな？
は？危機感ねぇの？





そんなことを思っていたら




『花！？俺はいいよ！！歩いて帰るって！！！』




電話の向こうから聞こえてきた榊の声。




『びしょ濡れだと風邪ひいちゃうよ…！！！』


『ほんとに大丈夫だから！！！』






『だめだよ…っ』