世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
*
少し暑い気がして目を開けた。
ここは、寝室じゃなくて自分の部屋。
あの出来事が夢じゃなかったんだ、って思い知らされた。
寝ちゃってたんだ。っていうか、暑いし、なんか…重い?
ゆっくり起き上がってみると、なんと……。
私の布団の上に、見たことがある掛け布団が重ねられていた。
この掛け布団は、引っ越す前の詩優の部屋でよく見ていたもの。彼の布団だ。
…なんで……。
詩優、ここに来たってこと…だよね?
きょろきょろと辺りを見渡すけど私の部屋に詩優の姿はない。
今何時だろう。
そう思ってもスマホも時計もない。時間を確認するには……リビングに行かなくては。そこには時計もあるし、私のスマホもあるだろう。
…今日、学校だから……もしかしたら先に行っちゃったのかな。
ベッドからおりると、音を立てないようにゆっくりドアを開ける。