世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ








翌朝、一応熱を測ったら平熱だった。
昨日測った時は微熱程度で、大したことはなかったんだけど…。




今日は1人で登校。
昇降口で待ち伏せしていた空木さんは私を見るなりがっかりしていた。




「もしかして今日も詩優先輩おやすみなんですかぁ!?」




そう言った空木さんの手にはなぜか大きなピンクのキャリーケース。このあとどこかへ行くのだろうか。




「…たぶん、来ないんじゃないかな」




私もよくわからないためそう返しておくと空木さんは




「せっかく詩優先輩と同じ世界に住む準備してきたのに!!!」




と言った。




その言葉で思い出したのは以前、詩優が化学室に空木さんを呼び出した時のこと。あの時、そんなことを空木さんは言っていたんだっけ。





詩優と一緒にいられなくて寂しいけど、これはこれで安心かもしれない。
今だけは空木さんに詩優を取られる心配もないんだから。




今日は私が戦うんだ。




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