世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




「空木さん」




そう声をかけると空木さんは私と目を合わせて。




「なんですか!?詩優先輩の家の住所でも教えてくれるんですか!?」




そう言った空木さん。
私は大きく息を吸って。




「…私、詩優と一緒に住んでるの」




空木さんに、これは初めて言った。
これでどうだ、と思ったら急に笑いだした目の前の女の子。




「妃芽乃先輩も妄想とかするタイプなんですね!!!私もよくやるのでわかりますよ!!!」




私の言ったことを信じられないのか妄想扱い。
しかも、なぜか共感されてる。




「も、妄想なんかじゃないもん!!!」


「私の世界では、詩優先輩と暮らしてて~。結婚して、毎日幸せに暮らしてるんです!!
5年後には子どもが産まれて…あ!女の子ですよ!それから猫も飼うんです!!」






「そんなの聞いてない…っ!!!」


「わかりますか!!!詩優先輩の未来に妃芽乃先輩はいないんです!!!!!」






空木さんの言葉は、今の私の胸に深く刺さった。




空木さんと戦っても、私はいつまでたっても勝てない。
それもそうかもしない。私は自分の弱さにすら勝てないんだから。




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