世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




「私も行く…」



ぎゅっと詩優の袖を引っ張る。



「俺がこの世で一番大切なのは花莉、お前だから。危険な目にあってほしくねぇ。俺の気持ちも少しはわかって」




詩優は繋いでいない反対の手で私の頭を撫でてくれる。




彼のその気持ちはすごく嬉しい。それでも…私の不安はどうしても消えない。




私が行ったところで喧嘩ができるわけでもない。ただ捕まってしまうだけかもしれないのはわかってる。

わかってるけどそれでも私は……




「何か策はあるのか?」




竜二さんが詩優に聞く。
詩優は少し考えたあとに、




「今から考える」




と返す。




…やっぱり不安だ。




「人質いるといろいろ要求されてめんどくさいし、ひめちゃん連れてったら?あ、もちろん安全のために明日葉を女装させて一緒に連れてって、引き渡すフリ。

『こいつもおまけにあげる』って言えば敵は低脳そうだから明日葉ももらっててくれそう~。

明日葉が近くにいれば安全だし、2人引き渡したフリして人質奪えばあとはこっちのもんじゃん。俺らも近くで待機してるし」




そう言ったあとに「どう?俺のこの素晴らしい案」と聞く倫也。




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