世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




……せっかく仲直りできたのに、また怒らせちゃったのかな。またわがまま言っちゃったから…。




詩優を待っていたら、彼の姿が見えて。
戻ってきた詩優。




彼の手には何かが握られていて、私にそれを手渡した。




「これ、持ってろ」




詩優に手渡されたものを見てみると、“催涙スプレー”と書かれた小さなスプレー缶。それと、小型の…黒い機械?




これはなんだろう。




「スタンガンのスイッチはここだから」




詩優は小型の黒い機械の横を指さす。




気のせいじゃなければ、今、スタンガンって言ったよね!?




「つーか使い方わかる?
ここに電気流れるから、花莉は絶対触んなよ。スイッチを押したままここを人に5秒くらい接触さて。場所は狙いやすいところでいいから」




詩優は丁寧に使い方を教えてくれた。

それから最後に




「ほんとは連れていきたくねぇけど……他に作戦はねぇし、時間もねぇし。絶対怪我すんなよ」




と言って強く抱きしめられた。




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