世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
気のせいかな…?
い、今、30分…写真好きなだけ撮らせてって聞こえた気が…。
「花莉は俺の言うこと、なんでもたくさん聞いてくれるんだよな?」
固まっていたら詩優は口角を上げたまま私を見つめる。
その表情は私をからかっているようで…。
きっと聞き間違いじゃない。
本当に私の写真を撮りたいんだ。しかも、30分も。
「だめじゃねぇよな?」
確かめるように聞いてくる。
「…っ」
…断れない。
私から要求を聞いてしまったし、これは約束なんだから…。
でも、30分も私の写真を撮るなんて…。
長すぎじゃない…!?しかも絶対そんなにいらないよね!?
「私の写真なんていらないよね…?」
じっと詩優を見つめると「欲しいから言ってんだけど」と言われてしまう。
ほ、本当に欲しいんだ…。
でも、30分も…。
「い、1分だけにしない…?」
写真を撮られ続けるのは恥ずかしいから、せめて30分じゃなくてもっと短くして欲しい。