世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
…心地いい。
詩優の隣は安心する。
本当に眠れそうだ。
「…急に積極的になるとか、心臓に悪ぃ」
小さく聞こえてきた声。
目を開けて詩優の方に目を向けると、彼は……
少し赤い顔をしているように見えた。
「!!!」
私はどうしても詩優をよく見たくて、ちゃんと隣に座って詩優の顔を覗き込む。
だけど詩優は顔を見られたくないのか、ふいっとそっぽを向いて。
私から見えないようにする。
…見たい!!
詩優のこの顔は滅多に見られないからレアだ…!!
立ち上がって、詩優が向いた方向に移動する。
だけどやっぱり詩優は見られたくないのか反対側を向いて…。
どうしても見たい私は向き合うように彼の膝の上に座る。
「!?」
詩優はびっくりしていたが、抵抗はしない。
ただ一生懸命私と目が合わないようにそっぽを向くだけ。
「詩優…!!こっち見て…!!」
声をかけても「やだ」と言われるだけでやっぱりこっちを見てくれない。