世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




走ってくる足音が聞こえて、何かと思ったら…
空木さんが走って校門を出てくる姿が見えた。




「助けてくださいっ!!!!!!」




必死そうな表情で空木そんはそう言って、詩優の背後へと隠れる。




ま、まさか…もう族の人になにかされて!?




なんて思ったら次に見えたのは倫也の姿。
小走りで走って詩優と空木さんの前で立ち止まる。




そんな倫也を空木さんが指さして




「この気持ち悪い人、さっきからからしつこく声かけてきてついてくるんです!!!!!!!」





そう言った。
一方で倫也は




「俺、気持ち悪いって明日葉と京子以外の女の子から初めて言われたんだけど~」




なんて笑っていた。
隣に座っている空木は窓から外を見て




「雷龍の幹部?」




と首を傾げる。
私は空木にこくんと頷いた。





…なんか、意外。



空木はめんどくさがりな性格だから、人の顔を覚えないタイプだと勝手に思っていたけど…
倫也のことを“幹部”としてちゃんと覚えていた。



< 558 / 839 >

この作品をシェア

pagetop