世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「…倫也、お前何してんだよ。バレねぇように護衛しろって言ったよな?」
ため息をつく詩優。
確か、お昼休みに言ってた護衛のことだよね?
その護衛が倫也だったんだ…。
「いや~。可愛い子だから声かけずにはいられなかったんだよ」
怖がらせてごめんね?、と空木さんに謝る倫也だけど…。空木さんはかなり警戒しているみたいで詩優の背中に隠れて怯えたまま。
詩優はもう一度ため息をついて。
「空木のことは、今日は車で送ってく」
そう言って車のドアを開けた。
「花莉は助手席座って」
詩優にそう言われて車をおりようとすると、ぐいっと手を掴まれてうししろに引っ張られた。
私の手を掴んだのは隣に座る空木。
な、なに!?
「ちっこい雷龍ちゃんと俺はトモダチだから隣同士がいい~」
そう言った空木。
と、友だち同士!?
私と空木が!?