世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
今度は
花莉side
次の日、朝から昇降口で私たちを待ち伏せしていたのは…空木だ。
この間までは空木さんだったのに、今度は空木。
「おはよ~、シユー、ちっこい雷龍ちゃん」
ひらひらと手を振って近づいてくる空木だが、詩優は無視。
私もできる限り目を合わさないようにスリッパに履き替えて、教室へと向かう。
『できるだけ空木に近づくな。近づいてきたら無視して』
昨日、詩優が私に言ったこと。
空木の目的はわからないけど、関わらないほうがいい。
空木さんをまた巻き込まないために。
「シユー、俺とタイマンしよ」
教室へと入ろうとしたら後ろから聞えてきた声。
詩優はピタリと足を止めた。
た、タイマン…?
一対一の決闘のこと、だよね…?
詩優と空木が!?
え、え…え!?
「俺が勝ったら雷龍に入れてよ。その代わり俺が負けたら今日は諦める」
そう言った空木に詩優は後ろを向いて。
「…俺に勝てるとでも思ってんの?」
低い声でそう言った。