世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「…俺は乃愛と離れるとか最初から考えてないから。乃愛が一緒に入るのが嫌なら、俺も久我ももちろん断る。
勝手に入れようとしてたくせになんだよ~、って思うかもしれないけど俺にはやっぱり乃愛が1番だから」
空木はまっすぐに空木さんを見つめる。
「玲央は私のことは気にせずに入るべきだよ。入りたかったんでしょ?
私は…ぼ、暴走族に入ったところで何もできないから、無理だけど……」
空木さんは空木を見ていられなくなったのか、俯いて一歩後ろにさがって距離をとる。
「俺は乃愛が1番って言ってんじゃん。乃愛が無理そうなら俺もやめる」
空木はそれから後ろを振り向くと、私たちと目を合わせて。
「シユー、───────────」
そう、詩優を呼んで何かを言おうとした。が、私は……
「お弁当一緒に食べたり、お菓子一緒に食べたりする友だち、ってどうかな!?」
空木が言う前に大きな声を出した。