世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
約束のデート
花莉side
約束のデートの日。
綺麗なお花を買ってから、詩優のバイクに乗って連れてきてもらったのはお墓。
綺麗なお花に、お墓…ときたら、お墓参りだろうか。
まさか…、詩優の…
なんて思った時に彼は私の手を取って。
「花莉に俺の母親と悠兄に会ってほしくてさ」
そう言って歩く詩優。
詩優が私を連れてきたかった場所で、詩優の大切な人たちに会わせてもらえる。
なんだかすごく嬉しい。
私のことを信頼して、想ってくれているから連れてきてもらえた、ということだろう。
ちゃんと挨拶しなくては…!!
私はお花を持って、詩優は手桶に水を汲んで、柄杓を持って 。すれ違う人に会釈をしながらお墓へ。
少し歩いて、詩優が立ち止まると。
目の前には“夜瀬家”と彫られた墓石があった。
お墓にはすでに供えられている綺麗なお花。
墓石も綺麗で、もう誰かがお墓参りに来てくれたあと。