世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





「…親父か」
ぽつりと呟いた詩優。




何となく予想がついていたみたいだ。




「お花、たくさんになったら喜んでくれるよ」




私は持っているお花出して、「失礼します」と言ってからすでにあるお花と一緒にお供えさせてもらう。




詩優は丁寧に墓石に水をかけて。
途中で私も交代してもらえた。




詩優のお母さんとお兄さん…。




心の準備も何もしていなかったためすごく緊張する。…心の準備をしていても、詩優のお父さんに挨拶に行く時はすごく緊張したけど。




柄杓を手に持つと緊張で水がこぼれそうになって、それを見た詩優に笑われた。




「緊張すんなって」


「む、無理だよ…」





「ワンピース濡れんぞ」


「す、少しくらいなら大丈夫…」





「あほ」





私が今日着てきたのは淡いピンクの、花柄のワンピース。丈は膝より下くらいで、長すぎず短すぎずちょうどいいくらい。





今日の天気は晴れだし、濡れてしまってもすぐに乾きそう。





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