世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「あ、ごめんね…」
「ううん!大丈夫だよ。どうしたの?」
「あ、えと……」
肝心なところでまた緊張して、上手く話せなくなる。
そんな私を見て、関根さんは
「ゆっくりでいいよ」
と優しく微笑んでくれた。
…優しい。
ちゃんと、聞くんだ。恋バナをするフリをして、俊のことを……。
私は大きく息を吸った。
「関根さんの恋バナが聞きたいな、って」
怪しまれないように、えへへ、と笑ってみる。
やだ、って言われたらどうしようとか思ったが、そんな心配はいなかったみたいで。
「いいね!!私も妃芽乃さんと夜瀬くんのこと聞きたかったの!!」
と笑顔で言ってくれた。
私はもう一度大きく息を吸って
「この間、映画館で関根さんと…か、彼氏さん見てね…すごくお似合いだなって思ってたんだ…」
自分の話になる前に先に話す。
「え!?俊も見たの!?」
“俊”
…名前呼びだ。
仲良しそうだったもん、ね……。