世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
すごく複雑な気持ち。
関根さんが幸せなのはいいことだけど……その相手がよりによって俊だから。
「い、いつから付き合ってるの…?」
勇気をだして聞いてみた。
すると、帰ってきたのは…
「高1の春から!!」
まさかの言葉。
ドクン、と心臓が嫌な音を立てるのがわかった。
…高1の春。
私が詩優に出会ったのは高1の冬頃。だから、関根さんと俊が付き合っているのはそれよりも前のこと。
……私が、暴力を振るわれていた時だ。
そんなに前から付き合ってる、なんて…。俊に彼女がいることにすら気づかなかった。
「俊とはね、合コンで知り合ったんだぁ!!その時に私が一目惚れして、アタックしたら俊も私のこと好きって言ってくれて!!
すごく嬉しかったの!!」
照れながらも話をしてくれる関根さん。
あまりにも幸せそうに話すから、私はそれ以上何も聞くことができなくて。精一杯の笑顔をつくりながら相槌をうつことしかできなかった。