世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ











話が一段落したところで、私はスマホを持ってトイレへと逃げた。





スマホの連絡先を開いて、【夜瀬詩優】をタップ。




…もう、どうしたらいいのかわからなかった。
体が小刻みに震えて、止まらない。




『花莉!?』




呼出音の後に、すぐに耳に届いた大好きな彼の声。
安心感が胸に広がって、こぼれ落ちそうになった涙を袖で拭う。





「……詩優…」


『どうした!?』






「……どうしたらいいのかわからないの…。関根さんが幸せそうで、私は何も言えないよ……」


『…花莉が聞きたかったことは聞けた?』






「いつから付き合ってるの、って聞いたの。そしたら…高1の春から、って……。
合コンで知り合ったみたいで…」


『関根が何かされてるとかじゃなさそう?』






「…すごく幸せそうだから……何もない、と思う…」




関根さんが暴力を振るわれているなら、あんな幸せそうなら表情は絶対にできないだろう。





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