世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「…それは…そう、だけど……」
送り迎えだけじゃなくて、わざわざここで待機してくれてるなんて。
詩優にも、倫也にも、本当に感謝。
『いいから、関根と楽しんでこいよ。時間なくなるし。
また何かあったらいつでも連絡先して。あと帰りも、待ってるから』
詩優の優しい声。
私は「ありがとう」と伝えた。
「じゃあ、またあとで、ね」
『おう!』
「詩優、大好き」
最後にそう言って、電話を切った。
大丈夫。
詩優の声を聞いたら、心が落ち着いた。
戻ろう。
関根さんのところに。
スマホをポケットへとしまって、部屋へと向かった。
「お待たせ…!!」
部屋の扉を開けると、関根さんが笑顔で「おかえり!!」と言ってくれる。
「妃芽乃さん!!一緒に歌おう!!」
ソファに座ると、関根さんにマイクを渡された。