世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





「…それは…そう、だけど……」




送り迎えだけじゃなくて、わざわざここで待機してくれてるなんて。
詩優にも、倫也にも、本当に感謝。





『いいから、関根と楽しんでこいよ。時間なくなるし。
また何かあったらいつでも連絡先して。あと帰りも、待ってるから』





詩優の優しい声。
私は「ありがとう」と伝えた。





「じゃあ、またあとで、ね」


『おう!』







「詩優、大好き」




最後にそう言って、電話を切った。





大丈夫。
詩優の声を聞いたら、心が落ち着いた。




戻ろう。
関根さんのところに。




スマホをポケットへとしまって、部屋へと向かった。





「お待たせ…!!」





部屋の扉を開けると、関根さんが笑顔で「おかえり!!」と言ってくれる。





「妃芽乃さん!!一緒に歌おう!!」




ソファに座ると、関根さんにマイクを渡された。




< 644 / 839 >

この作品をシェア

pagetop