世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「花莉。もうこんな時間だし、今日は寝よ」
カードキーを探していたら、後ろから聞こえてきた詩優の声。
時計を見ると、深夜1時半を過ぎたところだった。
時間が過ぎるのは早い。
「ご、ごめんね。詩優は先に寝てて…」
「起きたら、一緒に探そ。だから今日はもう終わりな」
優しくそう言ってくれる詩優。
だけど、私はこのままじゃ安心して眠ることができない。
「も、もう少しだけ……」
そう返したら、詩優は開けっ放しの私の部屋の中へと入ってきた。
私に近づいてきたと思ったら、肩と足に手を添えて…。
何かと思ったら、身体が浮いた。
「!?」
いわゆる、お姫様抱っこ。
詩優は私を抱えたまま部屋を出て、電気を消すと寝室へと移動。
「し、詩優…っ」
声をかけても途中でおろしてくれなくて、寝室のベッドの上でやっとおろしてくれた。