世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ









────────ガチャンっ




何か音がした気がして目が覚めた。




…今のは、玄関の鍵が…開く音?




ここの部屋の鍵を持っているのは、4人。
詩優、私、康さん、それから奏太くんたちのところに1枚。




私は今、詩優に抱きしめられているから……康さん、奏太くん、壮くん、誠くんの誰かだろうか。




眠い目を擦って、詩優の腕から出る。
起き上がろうとしたら、大きい手に手首を掴まれて。




詩優のほうを見たら、彼も目を開けていた。
…彼にも、聞こえたのだろう。




声を出そうとしたら、口元に指を当てて、“静かに”と合図。
詩優は真剣な表情。




…なにか、嫌な予感がした。




隣にいる詩優はゆっくり音を立てないように起き上がって、私の肩と足に手を添える。




すぐに体が浮いて、またお姫様抱っこ。
それからすぐにベッドからおろされた。私がおろされたのはベッドの脇で、部屋のドアからは見えないところ。





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