世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
昔の記憶
倫也side
中学3年にあがったばっかの頃、学校の屋上であの子に出会った。
名前は天音 桜(あまね さくら)。
2つ年下で、あの子は当時まだ中学1年生。
第一印象は“大人しそうな子”。
だけど、話してみたらおもしろくて、一緒にいて楽しくて、笑顔が可愛くて。
俺が暴走族に入ってることを話しても怖がらなかった桜に
…気づけば惚れてた。
桜と会える可能性なんてすげぇ低いのに、会えるかな、なんて思いながら屋上へ通う毎日。
休み時間、昼休み、授業中、結構通ってたと思う。
会えた時はとにかく嬉しかった。
けど、たまに桜が見せる悲しそうな顔。それにはどんな悩みがあったのか……
もっとちゃんと聞いておけばよかった。