世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
初めて好きになった女の子が彼女になって、夏休みは毎日のように連絡を取り合って、たくさんデート。
毎日がほんとに幸せで、時間が過ぎるのはあっという間。
俺が中学を卒業する日が一刻と近づいていく。
中学を卒業しても、桜と付き合っていけたら……なんて未来のことまで願っていたのに────俺の幸せは長く続くことはなかった。
夏休みが明けて、見てしまった光景。
桜と、他の族の男が手を繋いで歩いているところ。
桜が無理矢理やらされているならもちろん助けてた。でも、桜は笑顔で、俺といる時よりもすげぇ幸せそうな表情。
…俺は見ているだけで、その場から動けなかった。
状況をなかなか理解できなかった。
理解したくもなかった。
その日は頭が真っ白になって、気づけば無駄に広い自分の家。
目を閉じると思い出して、一睡もできなかった。