世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ










「はいこれ、倫也のぶん!さっきの調理実習でみんなで作ったやつだよ!」




屋上で寝そべっていたら、俺の視界にひょこっと入ってきた女の子。
雷龍の姫で、詩優の彼女のひめちゃん。




その子は俺のおでこの上に個袋を置いて、笑顔を向ける。




「…調理実習、何作ったの?」




さっきの時間は家庭科。
調理実習っていうのは知ってたけど、俺はめんどくさくて屋上でサボった。




詩優と竜二もついてきて、久しぶりに男3人でさっきまでいたんだけど、今はいない。詩優はじゃんけんで負けて自販機に飲み物を買いに行って、竜二は女の子からの呼び出しで連れていかれたあと。




「クッキー!!」




そう言って笑うひめちゃんの手にはもうひとつの個袋。それは確実に詩優のぶんだろう。





詩優はまだ帰ってきてないけどさ、彼氏より先にもらうのはなんか悪い気が…するような。ま、いっか。




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