世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




これくらいのことは詩優は少ししか気にしないだろうから。




「ありがと~」




俺はおでこに置かれた個袋を手に取ってお礼を言った。

それからよく見なくても気がついたこと。京子と明日葉がいない。




「ひめちゃん1人?京子と野生のゴリラは?」


「竜二さんをさっき見かけたから京子がクッキーを渡しに行って、明日葉は乃愛ちゃんたちに渡しに行ったところだよ!
でも明日葉は3階に行った瞬間に後輩の…ファンの子?に囲まれててね、たぶん帰ってくるのは少し遅いと思う」






なるほど。
京子が竜二に、か。

何か進展あるかな、なんて期待。
竜二は告られに行ったから修羅場になってないといいな~。まぁ、それもそれでおもしろそうな予感はする。





このことはあとで京子か竜二に聞くとして。今は…




「そっかそっか~。詩優は今自販機に行ってていないからさ。
その間にひめちゃんと詩優のイチャイチャラブラブな話でも聞かせてよ~」




俺は上体を起こして、ひめちゃんを見てにやりと笑った。





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